コレがオレのデジタルワールド!!

ステージ6:もう1人のテイマー



「初めまして、ボクはタクト、清瀬拓人、拓也の拓に、啓人の人、よろしく」

「オレは大神飛鳥、なんだか羨ましい名前してるな、でもオレだって大から一を取って人を離せば八神になるんだぜ?」

「ボクの方が勝ってるね、絶対」

「名前は負けたかもしんねーがテイマーレベルは負けてない!!」

「ボクだって結構強いよ?」

ボレロにて

「ご苦労だったね、ようやくルーチェモンも我われと行動を共にすると言ってくれた、コレもキミのおかげだよ、アスカ君」

「い、いえ、自分は何も!!」

「アスカ…硬くなり過ぎです」

「で、キミが…来てくれた訳だね」

「は、ルーチェモン様はこのような美しくない所へ来るよりも大事な仕事がありますので(何て汚い部屋なんだ、ココは)」

ルーチェモン城から帰還したオレ達はセラフィモンに報告、詳しい事は付いて来たロードナイトモンが話す事になっている様で、その後はどうなるのかオレは知らない、ただルーチェモンの勢力がCLOSEに加わり、かなりの戦力アップが見込まれると言う事は解る、ただ、ルーチェモンがあんなに簡単にCLOSEに入ると決めたのは、オレだけじゃなくウォーグレイモンも気にしていた、その前にウォーグレイモンの方向音痴のおかげで作戦実行の遅延はもちろんセラフィモンは知っていて、ウォーグレイモンはこの事で凄く怒られた様らしい

「アスカはどう思います?ルーチェモンのあの決断」

「ん、ルーチェモンの考え?多分、ボレロの制圧、ロードナイトモンはそのために派遣された、もう時期大群を連れてココに攻めてくる…なんてね、オレが解るわけ無いじゃん」

でもルーチェモン可愛かったなぁ、そう言いたかったがウォーグレイモンは顔色を変えてオレを見ていたので言葉が直前で止まった

「アスカ…それは本当ですか!?」

「いや、だから冗談だって…」

その頃、ルーチェモン城では

「ねぇタクト、あの人間すっごく勘違いしてたみたいだけど、アナログマンって何だよ、まぁアレはアレで面白そうだけどね」

ルーチェモンから見て右側にある扉が開く、そこから出てきたのはルーチェモンの言っていたつい最近見た人間だった

「キミは本当に遊ぶのが好きだね、アスカが可哀想に見えたよ、それよりこんなにぐずぐずしてて良いの?」

「大勢で動くと怪しまれるって言ったのはタクトだろぉ、遅れてもロードナイトモンなら大丈夫だって」

「ボクの予想が正しかったら…」

「ま、ちょうどそろそろ準備しようと思ってたからいいか、デュナスモン、出撃準備しといてねぇ!!」

「了解しました、ルーチェモン様(やっと、この人間の力が見れるのだな)」

それからオレはウォーグレイモンと楽しい休憩の時間をすごした、円形テーブルに向かい合って座り、目玉焼きを食べる、オレとウォーグレイモンは同じ、醤油による味付けだった、運命を感じた、こんな時間をすごすとこの世界がアナログマンの恐怖に怯えている様には思えなくなってくる、寧ろそんな事の無い、平和なデジタルワールドの生活を満喫している様だった

「おいしいですか、アスカ?」

「あぁ、とっても…おいしいよ、ウォーグレイモン」

「アスカ…」

「ウォーグレイモン…」

想像の世界からオレを引き出したのはウォーグレイモンの、顔がにやけてますよ、の一言だった、何処からが想像かはそっちに任せる

「おや、アスカ様じゃないですか」

後ろから声をかけて来たのはメタルガルルモンだった、コレはチャンスだ、今ならどうやってメタルガルルモンがイスに座るのか見ることが出来る、まぁこっちに座れよ、とイスを出すとメタルガルルモンもすいませんと寄ってくる、って事はやっぱりメタルガルルモンもイスには座るのだろうか、と言う事はイスの上に座るのだろうか、ちょっと狭い気がする、まぁとりあえず見たい

「ピンポンパンポーン、ウォーグレイモンとアスカ君は至急第2研究室に来て下さい、繰り返しますウォーグレイモンと―――」

「おや、珍しいですね」

ウォーグレイモンが立ち上がりオレに何の用でしょうかと聞いてくる、メタルガルルモンは少し残念そうな感じだったが研究室ですかぁ、とため息をつく、オレは研究室が何の研究をしているのか解らないからどんな用事なのか答えられないし、メタルガルルモンのため息を見て何となくそこは危ない部屋だと言うのが感じられた、そう

「オファニモン様が呼び出しだ何て…」

「アスカ様、気をつけて下さい」

「やっぱり…」

後少しでイスに座るメタルガルルモンと別れて第2研究室を目指す、途中オファニモンに会い、そのまま第2研究室に入る

「えっと…何の用?」

オレの問いかけに答えず、部屋の電気を消したまま無言で扉を閉めるオファニモン、ドアのロックがかかる音が、静かに響く

「私、あのロードナイトモンが信用できないのです」

「このデータは…キミ達が人間と接触したのはウォーグレイモンの報告で聞いたが…こんな情報まで手に入れていたとは…その人間は一体何者だ」

「答えるつもりは無い(美しくないからな)」

セラフィモンがパソコンの画面を見ながらロードナイトモンに問いかける、返ってきた返事を聞いてセラフィモンはCLOSEよりルーチェモン達の方が情報量は多いと悟る、だが何故今こんな情報を対立していたCLOSEに提供してきたのか、そんなことも考えていた

「この情報を与えた理由を知りたがっている様だな、教えてやろう、貴様達CLOSEがあまりにも醜いからだ、このデータを見て解っただろう、時間と言う物は少ないのだよ、セラフィモン、配下に下るのは我らではなく、貴様らだ、ルーチェモン様の指揮なら、必ずこの世界を救うことが出来る(あぁ、美しい)」

「キミ達に任せるわけには行かない、このデータを見て解るだろう、このデジモンは我々の仲間だ、敵ではない、一体いくらの犠牲を払えばいいのだ、やはりCLOSEに入れてよかったと思うよ、キミ達の戦力はCLOSEが有効に使わせてもらう、そうだな、キミには畑仕事でもしてもらおうか、きっと似合う」

「貴様、この私を愚弄するのかぁぁ!!(美しくない奴めぇ!!)」

ロードナイトモンが叫んだ瞬間、ボレロに警報が響き渡った

「警戒中のメガドラモンより入電、多数のゲートがボレロ上空に出現したとの事、現在迎撃部隊が警戒態勢に入っています」

「ふ、やっと来たか(ついに始まるのだな)」

放送を聞いた途端、ロードナイトモンは部屋と飛び出した

「ゲートが出現!?敵は直接ココを攻撃するつもりなのか…!?ロードナイトモン…まさか…」

オレはボレロの屋上で初めてゲートを見た、デジタルゲートみたいなのを想像していたのだが全然違った、なんと言えば良いのか解らない

「もしかして…オレの予想って当ってたの?」

何故ココにいるのか、それはオファニモンの話から始まった

「信用出来ない、どう言う意味ですか、オファニモン様…」

「あのロードナイトモン、何かを企んでいる様に見えませんでしたか?」

「オファニモン様も…やはり…」

2人が考えている事は解った、ロードナイトモンが中で暴れて外からルーチェモンが攻めてくる、軽い気持ちで考えていたオレとは違って、オファニモンがそんな事を言うと本当になりそうな気がする

「中のロードナイトモンだけを敵にするなら私達の力はなくとも大丈夫です、ですが、外から同時に攻められると、必ず混乱状態になるでしょう、ですから、私達だけでも外を警戒しておきませんか、と考えたのです」

ウォーグレイモンは真面目に考えているがオレから見たオファニモンの顔には半分以上、遊びが見える、敵が味方になる、そこで何かが起きるかもしれない、そのスリルを楽しみたい、そんな感じ

「私は賛成です、アスカは?」

「まぁ…いいかなぁ…メタルガルルモンのイスに座る瞬間が見れなかった理由がこんな事ってのが…」

「では早速屋上に♪」

屋上に上がってメガドラモンやナイトモンに挨拶して、オファニモンはパラソルなんか差してリラックス、ウォーグレイモンは見ていて面白かった、そのまま終わるだろうと思ってたのに、本当に敵が来た

「あら、どうしましょ、本当に攻めてくるんでしょうか」

その声に焦りは無く、今後の展開を楽しみに待っている感じだ、ウォーグレイモンは周囲のデジモンに命令を飛ばしまくる、急な状況で焦っていたデジモン達はどうやら安心しているらしい、ウォーグレイモンのおかげでいつでも戦闘態勢には入れる様だ、確かにオレ達が屋上にいないとパニックだっただろうな、それからオレはゲートの出現よりも自分のつまらない想像が当っていた方に驚いていた、だってアレだろ、ロードナイトモンは中にいるんだぞ、しかし1つ疑問が浮かんだ

「あのゲートって…誰の?」

「…来る」

今のウォーグレイモンが小さく呟く、だがその声は周りのデジモンにしっかりと届いていて、全員がゲートを睨む、すると後ろの方からバンッと音がした、後ろ!?

「フハハハハハ、さぁ行くぞ!!(美しく散るが良い!!)」

その音はロードナイトモンが扉を勢い良く開けた音で、警戒していたデジモン達はその音の方向を睨みつける、近くにいたデジモン達はロードナイトモンに飛びかかっていた、が、ロードナイトモンも究極体のロイヤルナイツ、簡単に飛びかかったデジモンを蹴散らすと美しく舞った、ココにいる全てのデジモンがゲートから目を離していただろう、オレだってロードナイトモンを見ていた、そんな時だった、大きな音がした

「ぐあぁぁあ!!」

声がしたのはオレの後ろ、警戒していたナイトモンが突然現れたメタルティラノモンXに踏み潰されていた

「ゲートが開いたか、さぁ私の美しさを見せつけよう!!(フハハハハッ)」

突然の事の連続で誰もが動けなかった、そしてオレの小さな疑問も全て消された、一番最初に動いたのはロードナイトモン、ナイトモンの上のメタルティラノモンXを蹴り飛ばすとナイトモンに手を差し伸べ、立ち上がらせる

「ウォーグレイモン様!!ゲート周辺にデジモンです!!」

誰が叫んだのか解らない、ただ皆ゲートの方を見た、そこには突然現れたメタルティラノモンXがたくさん浮いていた、そしてゲートから完全に出たメタルティラノモンXは空中浮遊を止めてそのまま勢い良く垂直落下を始める、戦闘開始だった

「ぐっ、アスカ、下がって!!」

「折角いい感じに待機してましたのにね、ロードナイトモンのおかげで台無しですわ」

「あまりうるさいと美しくないですよ(貴様らのおかげで作戦が台無しなんだよ!)」

3体の究極体は落ちてくるメタルティラノモンXをどんどん蹴散らしていく、警備のデジモン達も各々で戦闘を繰り広げている…オレはまだ何もしていないじゃないか

「オレだってもう戦えるんだ!!行くぜ!!D−LIN…」

オメガブレードのペンダントを握り締めパスワードを打ち込む、その途中でオレの周りだけが暗くなった、真上にメタルティラノモンXがリアライズしその影がオレを包んでいたのだ、瞬間でわかった、避けられない、ウォーグレイモンも戦闘で距離がある、オファニモンは既に何処へいるのか解らない、ロードナイトモンは助ける気すらない、まだ終わるわけには行かないのに、ナイトモンと違ってオレはメタルティラノモンXに踏みつけられるだけで簡単に死ねる自信があった、そして思う、またコイツか

「アスカアァァア!!くっ、邪魔だぁっ!!」

ウォーグレイモンが気が付いた、物凄い勢いでこっちに来るのは解ったが直ぐにメタルティラノモンXに塞がれる、距離的にも間に合わない、覚悟を決めた時、懐かしい声が聞こえた

「キミはまだそんな所にいるのか」

このセリフを初めて聞いたのはアイツと初めてデジワーで対戦した時、あまりにもストーリーの進行速度が遅かったオレに言った、それからデジワー2、3、カードバトルにアリーナ、最後にX、何度も言われた、アイツはイツもオレより先にストーリーが進んでいた

メタルティラノモンXが吹っ飛ぶ、ついでに空中で上下2つに割れてやがて消えた、そしてオレの周りに明りが戻り、さらに輝きが増した

「最終究極紅蓮騎士(ファイナルクリムゾンナイトと読むべし)…まさか…」

「やあアスカ君、やっぱりキミはいつもボクより下だね」

オレの生涯のライバル、そしてお互いが認め合う最高のタッグテイマー、清瀬タクトがオレの目の前に神剣「ブルトガング」と神槍「グングニル」を手に持って現れたのだ

「はっ、直ぐに追い抜いてやるよ」

コイツがいるといつもの自分が戻ってきた気がした、こんな所にタクトがいるのが不思議じゃなかった、むしろ今までいなかった方が不思議に思えて来る

「ふ、いつ見てもその翼は美しい(流石、A2と言った所か)」

いつの間にかロードナイトモンが直ぐ側にいた、タクトとは知り合いの様に話し掛けてくる、タクトも相変わらずの笑顔で返す、なんだか良く解らない、何故こんなに仲がいいのだ

「感動の再開は終わり、さ、もう援軍が来てるから、さっさと終わらせよう」

タクトが上を見上げる、その方向にオレも目が行くと巨大な光弾がゲート目掛けて飛んでいった、その直撃を受けたゲートは機能を停止し、メタルティラノモンXの出現を止めた

「やっほ〜ルーチェモンだよ〜」

舞い降りた天使が健気にオレに向って手を振る、やっぱりルーチェモンだ、強い

ゲートが機能を停止してもすでに現れたメタルティラノモンXの数は凄まじく、ボレロ周辺を黒に染めていた、この数はディアボロモンを思い出させる、そんな気分とコレまでの誤解を吹き飛ばす様にルーチェモンが言った

「コレより、我らルーチェモン軍はボレロの援護に入る!!」




続け!!








あとがき
まず最初に前回返事を下さった方々、ありがとうございます
毎回読んでくださる方や初めて返事をくれた方、読んだけど返事を書き込まない方、読んでくれてありがとう…

それから、あとがきさきに読んでもネタバレはありません





さて今回の話ですが(強制終了