コレがオレのデジタルワールド!!

ステージ12:突撃!?遠くの第05拠点!!


ココは何処かの会議室、小さな電球が1つだけで部屋を照らす、が光は部屋全体には届かず、代わりに大きな円形テーブルに置かれている3機のパソコンのディスプレイの光が部屋をを照らす。

「我々の作り出したメタルティラノモンX、出撃したのはいいが全く帰って来ないじゃないか。何体失ったのか見当も付かん。」

1人がディスプレイに打ち出された数値を睨みながら言う。ココではコイツをアナと呼ぼう。

「そんな物を数える必要は無かろう、代わりはいくらでもあるのだから。」

1人が笑いを混めて答える、ログと名付けよう。それを聞いて残りの1人が口を開いた。コイツはマンとする。

「しかしあのCLOSEと言う組織、あれは少々厄介だぞ。」

パソコンを操作しCLOSEのデータを表示させるログ、さらに重要な所へ赤ペンでマークする。

「A2を2つも所持している。」

アナとマンは黙り込んでしまう、A2に存在しているある能力がとても厄介なのだ。

「折角捕らえたメタルガルルモンXも奴にやられた。いくら究極体の複製が出来ないからと言っても、アレは勿体無かった。」

アナが言い画面にメタルガルルモンXが映し出される。そこには赤で×印が大きく付けられて、隣には少年の画像が映っている。

「Xイレイザー…我々の資料には無いデータですね。」

「確認されているのはコイツだけだが…。」

「もう片方も使えないとは限らないだろう。」

今の戦力ではCLOSEを落とす事は出来ない、それは今まで使用したメタルティラノモンXの数で解る。さらにCLOSEはルーチェモンの軍とも手を結び戦力を強化してしまった。打開策が見つからない。

そんな時だ、1人の科学者が勢い良く部屋に入って来た。今は重要な会議中だと3人が告げるが科学者は構わず続けた。

「ほ…捕獲したメタルティラノモンの…エヴォリューションプログラムにアクセスする事が出来ました!!」

「「「それは本当か!!」」」

会議室は喜びの声に包まれた。

「本当です!!」

ボレロ第1会議室、机をドンと叩きオファニモンが半ば叫びながら言う。

「やはり、ロゼモンの予想は正しかった訳ですね。」

「何だよウォーグレイモン、オレ聞いてないぞ。」

いろいろあったファイル島から帰還して次の日、久々に参加した会議でオレは信じられない事を耳にした。

「アスカは修行中でしたからね、その間に私とムゲンドラモンはロゼモンから直接レポートを渡されました。」

内容はシンプル、敵で頻繁に登場していたメタルティラノモンXはアナログマンに作られた物であり、人造(ゲノ)デジモンだと言う事。

さらにはメタルティラノモンXのデータが行方不明になったらしいメタルティラノモンの物と似ている、つまり敵のメタルティラノモンXはメタルティラノモンをコピーして作られたのではないかと考えられている。

「ゲート0015、0016付近で行方不明になったメタルマメモン、ベーダモンも同様に敵にXデータを組み込まれ、量産されていると考えられます。Xデータの詳細ですが未だに解析されていません、やはりデータ不足ですわ。」

資料の内容を説明し終わりオファニモンは席に着く、入れ替わりにムゲンドラモンと交代で入って来たケルビモンが立ち上がった。

「その製造工場なんだが、現在候補として挙げられているのは第03拠点、第05拠点の2つだ。」

調査によると32ある内の第15〜22拠点、第24〜32拠点は全てダミーだったらしく、デジモンが近づくと防衛システムが起動して中からXデジモンが飛び出して来る、と言う簡単なものだった。

意外にCLOSEが拠点を潰してたって所を驚くオレはまだ全くCLOSEに馴染めていないって事だろうか、今日もケルビモンの部隊は第23拠点を攻撃に出るらしい。

とりあえず上二つの拠点が候補に挙げられた理由はゲート0015〜0018に一番近い拠点だかららしい。確かに捕獲したデジモンを遠くへ運ぶのは苦労するだろう。

今重要な事は、敵のメタルティラノモンXは見た目はXデジモンだが実は人造(ゲノ)デジモンだったと言う事。

「人間がデジモンを造り出す技術、今は完全体のみの量産が確認されていますが、このまま野放しには出来ないと思いますが………。」

ケルビモンはセラフィモンの方を見ながら席に着く、セラフィモンは少し考えてメタルガルルモンに聞いた。

「メタルガルルモン、キミはどうするべきだと思うかね?」

セラフィモンがメタルガルルモンの意見を聞きたかったのは恐らく、唯一敵に捕らわれて生還して来たデジモンだから、と言うのがオレの考え。

だがメタルガルルモンは敵にどうやって捕らわれたのか、Xデータを組み込まれた後に何をしたかは覚えていない。

「自分は…これ以上、自分やメタルティラノモンの様な思いをするデジモンを増やしたくないです。」

メタルガルルモンがはっきりと言う、メタルガルルモンは敵に洗脳されて仲間を傷付けた事をどのように思っているのか解らないがその思いはオレにも通じた。

「……………仕方ない、勝手に出撃されても困る、そうだろタクト君?」

「さぁ、何の事だい?」

いきなりタクトの名前が出る。オレは直ぐにタクトの方を見てしまうのだが、セラフィモンが言いたい事はタクトの表情を見て良く解った。アイツ結構来てる。

それから直ぐに誰が出るかを考えた。結果、メタルガルルモンとパートナーだったタクト、それからオレとウォーグレイモンが出る事になった。

それからどっちを攻めるか考えるのだが何故かタクトが05が良いと言い張る、オレ的にはどっちでもいい。それはウォーグレイモンやメタルガルルモンも同じの様で、簡単に第05拠点に行く事になった。タクトは05を選んだ理由を話してくれなかった。

オレが重要なポジションだと気付いたのはディメンションの前でセラフィモンに呼ばれた時だった。

他の皆はもうゲートに入っている、オレ1人だけに聞こえる様にセラフィモンは言った。

「メタルティラノモンを救えるのは今の所キミしかいない、頼んだぞ。」

「そー言えば…そうかもな…。」

まともに返事も出来ずにゲートへ足を運ぶオレ、既に準備が整っていたらしくオレが入ると直ぐにウォーグレイモンが手を上げる。出撃の合図だ。

「アスカなら出来ます。」

光に包まれる中、そんな声が聞こえたのは幻だうか?

転送が完了しオレは目を開ける、広がる世界は綺麗な青空、絨毯の様に敷き詰められた草原だった。

「こんな所に、敵の拠点なんてあるのかよ。」

「アスカ、後ろです。」

オレの独り言が聞えたらしくウォーグレイモンが返事を返す。後ろに何があるのか、オレは振り向くと世界が変わる。

「何だよコレ…。」

広がる世界の草原には元気が無く、遠くへ行くとドンドン緑の色が減っていく。代わりに現れる荒野の茶色、地平線の向こうではもう緑は全く無いだろう。

「緑の少なくなる方向へ進めば、拠点が見つかります。」

「昔は、ココ一体は緑で覆われていたんですがね…拠点を中心に緑は消えて行ったのでしょう。」

空から見れば簡単にわかるそうだ、緑にポツンと穴が空いた様に見えるらしい。

「とにかく移動しましょう。」

移動方法は久々のウォーグレイモンの背中だった、タクトはメタルガルルモンに乗っている。

地面すれすれの低空飛行、低い位置を飛行するのはエネルギーの温存のためらしい。後ろに流れていく緑がだんだんと少なくなって行くのが良く解る。

緑が無くなった頃、メタルガルルモンが何かに気付いた。

「前方にメタルティラノモンX、数13、気付かれた様です。」

オレはじっと前を見る、目を細めるが全く見えない。

「アスカとタクトさんはまだ戦闘に入らないで下さい、私達で抑えます。」

各々が戦闘態勢に入り、オレはウォーグレイモンに強くしがみ付く、後ろの方ではメタルガルルモンからガションと音がする。

オレの目にメタルティラノモンがようやく見えて来た時、オレ達の脇をミサイルが物凄い勢いで数発横切って行く。

前方のメタルティラノモンXは腕をこちらに向けて何時でも攻撃可能の状態に入っている。しかしメタルガルルモンとでは射程距離が違いすぎた。

しゅーんと音を立て進むミサイルは一番手前の目標に当ると目標と一緒に吹っ飛んで消えた、ウォーグレイモンはその吹っ飛んだ時の煙を突き破り近い順にドラモンキラーを振り下ろした。ぶつかる金属音が煙の中に響く。出鼻を挫かれたメタルティラノモンX達はまともに動く事も出来ずにあっという間に殲滅された。煙はもう消えていた。

「じっと出来ませんね…先を急ぎましょう」

疲れの表情を全く見せずにウォーグレイモンが言う。メタルガルルモンもそれに従い直ぐ移動を開始する。

中心に向うとついに人工的な地面が広がり始めた。車道と言うより滑走路に見える。奥にある建物は格納庫だろうか、上には管制塔らしき物も建っている。

その大きさがしっかりと解ってきた頃、どこからかレーザーが飛んで来た。

「うわっ、地面から出て来た!?」

ウォーグレイモンがドラモンキラーで弾く。

「デジワーX!?」

オレは叫ぶ。

レーザー砲が地面から頭を出していた、さらに悪い事にデジワーXと違って固定砲台じゃなかったのだ。きっちりこっちを狙っている。メタルガルルモンがミサイルを打ち込むが地面に潜り込み回避される。さらに潜り込んだ所にその上からミサイルを打ち込むのだが別の砲台に迎撃されてしまう。かなり守備が堅い。

「メタルティラノモンXより厄介…我慢して無視するしかないですね。」

すると後ろからタクトが叫んだ。

「あの格納庫から侵入する!!ボクとメタルガルルモンは地下に行くから、アスカ君達はあの搭の制圧を!!」

「了解しました、行きますよアスカ。」

「やっと出番だな!!」

空高く飛び上がって行くアスカとウォーグレイモンを見送るタクトとメタルガルルモン。搭を登れよとか思っていると早速搭の上から場爆発音が響き、落ちて来た瓦礫が格納庫の屋根に突き刺さる。メタルマメモンXが落ちて来る所を見ると中の通路はメタルティラノモンXには狭い、人間用に作られているとタクトは考えた。

「メタルガルルモンには、難しい戦いになるね…。」

「自分は射撃だけじゃありませんから大丈夫です。それよりタクトさんは同じ人間相手に大丈夫なんですか?」

メタルガルルモンの言葉にタクトの表情が少し変わる、メタルガルルモンはそれに気付くと何か言おうとしたがタクトが先に口を開いた

「大丈夫だよ。それよりメタルガルルモン、ボク達はパートナーなんだぞ、【さん】何て付けないでよ。」

「タク…ト?」

「そう、ボクはタクト。さぁ行こう、メタルガルルモンッ!」

余計な質問だったか。メタルガルルモンはそう思いながら自分の背中に乗っている少年の顔を見る、さっきとは違う、何か表情が明るくなった気がした。

「だぁあ!!小さい!!」

振り下ろすオメガブレードがすれすれの位置で外れる、こんな小さな相手と戦うのが初めてなオレは改めて自分の命中率の低さを思い知らされる。ウォーグレイモンなんか笑いながらメタルマメモンXを蹴り飛ばしている。流石だ。

「最上階を一気に攻めたら…簡単にっ、終わっちゃいましたね。」

最後の一匹を蹴り落としてウォーグレイモンがつまらなさそうに言う、甘いぞウォーグレイモンよ。

「ばーか、ダンジョン攻略ってのは、上から下に進むのが決まり事なんだよ。」

と言う訳でオレは下に降りる階段を探す。直ぐに階段は見つかったがゲートじゃないんだな、残念な気がする。

「アスカ、降りる前にちょっとやりたい事が…。」

「ん?何だぁ?」

ウォーグレイモンがキーボードらしき物を触っている、するとモニターに何かが映し出される。

映し出されたのは人名とその顔写真、その他諸々の個人情報合計30人だ。オレの知らない人ばかり、こいつら全員アナログマンなのだろうか?中には女性もいる。

さらにウォーグレイモンはキーボードの様な物を叩く。次の画像が出て来た。

「「エヴォリューションプログラム放射装置?」」

オレとウォーグレイモンの声がはもる。ちょっとした運命を感じるが今はそんな事は考えてはいけない、のだが…。

「何の事でしょう?」

エヴォリューションって言うんだからデジモンの進化に関係している事には間違いない。だとしたら誰が進化するんだ?そこでオレの頭に1体のデジモンが浮かんだ、メタルティラノモンXだ。

「もし、コレがメタルティラノモンXを一斉に進化させるプログラムだったら…。」

メタルティラノモンXは完全体、その次のレベルは究極体だ。そんな究極体が量産されたらいくらボレロに強いデジモンが集まっていても簡単に落とされるだろう。

「アスカ、コレ…。」

ウォーグレイモンが深刻な声でオレを呼ぶ。モニターに映し出されたのはココのマップだろうか、現在地の搭の天辺が赤く点滅している。

ガコンッ、ウイィィィィイン。

急に機械が動く音がする、天井だ。この真上で何かが起きている。

「おいウォーグレイモン、何やったんだよ。」

「あまり良い事じゃないかもしれません…あ、防衛システム解除出来ました、コレがしたかったんですよ。」

にこやかに言うが今は笑ってる暇は無いと言う事は画面端の数字を見れば解る。エヴォリューションプログラム発射のエネルギーチャージが始まっている。

「ウォーグレイモン、このシステム止められないのかよ!!」

「アスカ、止めるだけではまた使われてしまいます、壊す方が手っ取り早いです!!」

「んまぁ…そうだが…。それで良いか。」

そうしましょう。ウォーグレイモンは自分に言い聞かせると天井に向って飛んだ、グレートトルネードだ。ウォーグレイモンは物凄い勢いで回転しドラモンキラーで天井を抉る。あっという間に天井、発射装置を突き抜け、暖かい光が入って来る。すると機械から警報音が鳴り響く。モニターには【緊急停止】の文字が赤く大きく映し出される。鳴り止まない警報、あまりの五月蝿さにオメガブレードを突き刺したら音は止まってくれた。OK、いい子だ。

「あぁ!!壊しちダメです〜!!た、たいちょ〜!!」

「誰だっ!?」

聞き覚えの無い声に直ぐにオレはオメガブレードを構える。その声はウォーグレイモンにも聞こえた様で、直ぐに上から降りて来た。

「わっ、敵じゃ無いです〜!!」

驚きの声と同時にさっきまで誰もいなかった所から手にアサルトライフルを持ったデジモンがオレの目の前に尻餅を付きながら現れた。名前はコマンドラモン。D何とかって集団の歩兵で、体の表面が特殊らしく、いつでもどこでも透明になれるデジモン。潜入ミッションにはかなり適しているデジモンだろう。

「セラフィモン様から援軍要請が来まして。我々が援護に来たのです〜!!だから敵じゃ無いです〜!!」

たまたまオレが構えた方向にコマンドラモンがいたせいか、コマンドラモンは自慢の迷彩が見破られたとでも思ってるのだろうか。声が慌てている。っつーか慌てっぷりがカワイイ。

『コマンド01何があった、答えろ。』

また知らない声が聞こえる、それはコマンド01と呼ばれたコマンドラモンに装着されていた通信機からだった。多分さっき隊長と言ってた所から推測して、コマンドラモンの進化形シールズドラモンからだろう。

「たいちょ〜、機械が壊れちゃってるんですよぉ〜!!」

『構わん、塔の制圧は完了したのだな?』

「終わりましたぁ〜。」

『コマンド07、08、09、10が既に地下に潜入した。マップを転送する、直ぐに後を追う様に。』

「あのぉ、CLOSEのデジモンも一緒にですか?」

『CLOSEが来ているのか、ならば一緒に連れて行ってやれ。』

「りょ〜かいしましたぁ〜。ってな訳でついて来て下さいぃ。」

見てて楽しい、さっきからこっちをちらちら見ている表情がかわいい。不覚だった。とりあえず状況は聞かなくても大体理解できたし、目的地も一緒だったから付いて行く事にした。

この時、何でタクトは05拠点を選んだのか、どうして先に地下に行くと行ったのか。そんな事がふと気になった。




続け!!
>
>
>
>
>
>
>
>
>後書き
>前回の感想を下さった方々、本当にありがとうございます
>間違いの指摘はその通りです
>ちょっと褒めすぎな所もありましたが助かります
>「。」打ってると何だか小説を書いている時だけ打つようになりました
>
>何だか笑いの部分がだんだん薄くなってきたのはネタが切れてきたのかな
>ってな訳で近々「コレオレッ!!」の予定です
>まぁアレだ、オレの冗談なんて笑える物じゃない
>タイトルに注目です
>
>最近(?)小説の文字数が増えてきました
>5500ぐらいから6300ぐらい、今回は6300ぐらいだったはず
>後書き入れるとまた文字数変わりますが、平均を目指してたんですけどね
>コレはオレのつまらないこだわりの1つ(無駄
>
>以下つまらない会話
>
>アスカ「つまらないとは失礼な。」
>WG「アスカ、そんなことを怒るよりネタを考えなければ。ネタは切れ気味ですよ。」
>アスカ「ふふふ…そんなこともあろうかと、今日はゲストを呼んであるのだ。」
>WG「ゲストですか!?」
>タクト「はーい、コレオレのアイドル、タクトでーす。」
>アスカ「オマエじゃない!!」
>タクト「何を言ってるんだいアスカ君。ボクはまだココで会話をした事がないんだよ。」
>WG「アスカ、本当は誰を呼んだんですか?」
>アスカ「ルーチェモンだよ、遊びに来いって言ったら喜んでたのに。」
>タクト「あ、ルーチェモンならさっき用事があるってどこか行ってたよ。」
>アスカ「がーん!!」
>オチなし

訂正加えました…誤字脱字恥ずかしい
見直しが遅いですね、すいませんでした
まだある可能性があります、見つけてくれた方には2Dポイント差し上げます(ぇ?
ホントすいません…