コレがオレのデジタルワールド!!

ステージ10:オレをファイル島に連れてって!!その2?


「アスカ!!目を覚まして下さい!!」

オレが目を覚ましたのは毎度おなじみ、病室だった、けどココはボレロの病室じゃないって事は直ぐに解った、ファイル島の始まりの町にある唯一の病院、ケンタル病院、もう朝なのか窓から朝日のように明るい日差しが入る、オレは昨日あの拷問を受けていたはずなんだけど途中から記憶が無い、ジュレイモンに2本目の挑戦ニンジンを口に突っ込まれた所までは覚えているのだが、いつ意識を失ってしまったのか解らない

「過労で倒れたんです…それから朝まで寝てたんですが大丈夫です」

ライフは1つ減っても2つ残ってる、とウォーグレイモンに言ってみると少し考えて明るく答えた

「闘技場に出ても良いと、ケンタルモンは言ってましたしね」

忘れてた、今日は2日目、闘技場に参加する日だ、おまけに優勝しないとオファニモンからいやな物を受け取らなければならない様になる

「今何時!?遅れたら出れないんだぞ!?畜生、寝てる場合じゃないじゃん!!」

「その前に、服が乾くまで待って下さい、大丈夫です、遅刻はしませんから」

オレはウォーグレイモンの言った意味が直ぐに理解できなかった、何とか意味を読み取りオレは布団の中を見る

「…………うん、待つ」

つーか何時から干してるんだ

「エントリーを済ませた方は控え室でお待ちくださーい、エントリーはまだ2名受け付けておりますー、あ、はい、観客席はこちらからどうぞー」

受付のメタルグレイモン(ウィルス種)が忙しそうに仕事をしている、オレは参加する方だから控え室に行く、控え室の道が解らなかったがグレイモンが案内してくれた、グレイモンにメタルグレイモン、そしてウォーグレイモン、残りはアグモンだけだ

「やっぱ緊張するなぁ…」

控え室に入ると既に参加するデジモンが数体待機していた、あまり目を合わせたくなかったがつい見てしまった、金色の甲虫王、ヘラクルカブテリモンだ、凄まじい輝きの中に秘められる威圧感、他の待機しているデジモンもヘラクルカブテリモンとは距離を開けていて、コイツとは決勝以外で当りたくない、と話し声が聞こえた、数秒間見つめ合うと周りからあのガキヘラクルカブテリモンが怖くないのか、とか聞こえて来る、違う、怖くて動けなくなったのだ、蛇に睨まれたカエル、ヘラクルカブテリモンに睨まれたアスカ、だ

「………………」

無言で睨みつけてくるヘラクルカブテリモン、興味が失せたのか他の方向を見る、拘束が解かれた様に体が軽くなったのを感じた瞬間だった、いづらい、オレは部屋を出ようとするが丁度扉が開き、また別のデジモンが入って来た、オレはそいつを見て驚いた

「何でウォーグレイモンがココに入ってくるんだ!!」

ウォーグレイモンとは受付で分かれたはず、観客席から応援を送ってもらう予定だったのに何故か控え室に入ってる、と言う事は

「すいません、私もオファニモンから…【死を呼ぶ骨】を持って帰って来いと言われまして…」

周りからウォーグレイモンだと?とか、何でこんな所に、とか色々聞こえる、中にはあのガキが何であんなにウォーグレイモンと親しそうに話しているんだ、と少しいいだろぉと自慢したくなる言葉も聞けた

「あったり前でしょ!!ココでキッチリ働いてきなさい!!」

再び扉が開いた、そう言えば2名開いてた何てメタルグレイモンが言ってた気がする、低い勝率をさらに低くする様なデジモンじゃ無い事を祈る(まぁ既に勝率は0%と言って良い気もするのだが)入って来たのは幼年期のタネモン、まさかコイツが参加するのか、だったら楽勝、いや、手違いだろ、こんな所に来るデジモンじゃない、誰もが思っただろう、やはりそうらしくタネモンは外に向って早く入れとか、エントリーは済ませたんだ、とか叫ぶ、やっぱりコイツじゃないよなぁ、オレは思って誰が入って来るのか廊下を見た

「嘘…だろ…」

「タネモン、店番で済ませてくれないのか?」

「あぁもうしつこい!!全国チェーンのためなのっ!!」

「…………………あぁ、お前達か、どうやら俺も参加する事になった」

「ムゲンドラモン…かよ」

ウォーグレイモンとムゲンドラモンが参加する事によって空き枠が埋まり、ついにグレードSが始まった、トーナメント表が配られてた時、コレは罠だ、と思った、まずは1回戦、そこにはオレの名前があった、それは問題ではない、問題は対戦相手がヘラクルカブテリモンって事、その隣を見るとムゲンドラモンの文字、対戦相手はヴァンデモンだ、その横にスカルグレイモンとメガドラモン、そしてデジタマモン、最後にウォーグレイモン、つまりオレが優勝するには恐らくだが初戦でヘラクルカブテリモンに勝ち、ヴァンデモンを破って登って来るであろうムゲンドラモンと戦い、最後はウォーグレイモンと戦う、絶対に勝てない、オファニモンの劇薬を覚悟するオレだけど

やっぱりオレのどこかで、自分の力を試してみたい、そんな気持ちもあった

「D−LINK:オメガブレード!!」

フィールドに出てオレは早速D−LINK、観客から驚きの声が出てくる、やっぱり見た事無いんだろうな、丁度ロードが終わった時、向かい側からヘラクルカブテリモンが出てくる、観客がさらに盛り上がる、バトル開始の合図は初代デジワーと同じだった、ちなみに闘技場の中も初代デジワーと同じだ、デジモンになった気分だ、ココに立つと恐怖心も消えていた、さぁ、バトル開始だ

「ギガブラスター」

「いきなりFINISH!?」

オレは直ぐにオメガブレードを斜めに持ちギガブラスターを受け流そうとする、だが究極体の攻撃はそう簡単に受け流せない、どんどん押される、それだけじゃない、ギガブラスターを放った本人がオレの視界から消えていた、オレの周りで風が切れる音がする、ヘラクルカブテリモンは高速でオレの周りを飛び回っていたのだ

「だぁあああああ!!!」

とにかくオレはギガブラスターを受けっぱなしでいたくなかった、下から思いっきり切り上げ真上に飛ばした、直後に爆発音が聞こえ、後ろの方にヘラクルカブテリモンが煙を出しながら降りて来た、観客から笑い声が聞こえる

「当ったりした…か?」

振り向いて見るとよろよろに飛ぶヘラクルカブテリモン、ギガブラスターを食らうとあんなんになっちゃう訳だ、だがココはチャンス、一気に決めさせてもらう

「うぉおおおっ!!」

間合いを詰める、接近してオメガブレードで攻撃、バンバン当る攻撃が意外だった

「K.Oだ!!」

大きく振りかぶり一気に振り下ろす、だがヘラクルカブテリモンは自慢の角で弾く、やっぱり接近戦で止めは無理か、おまけにホーンバスター改で反撃まで受けてしまった、後ろに下がって距離を取る、オレがこの行動をしている時間にヘラクルカブテリモンは何をしていたかと言うとギガブラスターを発射、外れてくれたが爆風で飛んでしまった、もう背中には壁だ

「うあぁ…流石ヘラクルカブテリモン…オレだって」

遠距離攻撃なら負けない、右手を突き出し叫ぶ

「ポジトロンレーザーァァァアア!!」

それはホーンバスター改で接近して来たヘラクルカブテリモンに直撃、一気に向こうの壁まで押し戻した、どがぁと壁に激突するとそのまま地面にべしゃっと倒れこむ、しかしヘラクルカブテリモンはしぶとく起き上がる、ブーンと羽を鳴らし軽くジャンプ、まだ元気の様に見える、まだ来るか、オレが再び構えた時

「試合終了!!」

タイムアップか、勝敗はダメージの割合によって決った

「勝者、大神アスカ選手!!」

最初は何を言ってたのか解らなかった、ヘラクルカブテリモンに勝ったと言う事が解ったのは観客席からの声、やっと気付いた、最初は信じられなかった、オレの力で、ついにオレだけの力で究極体に勝ったのだ、判定勝ちだが

「やっ…やったぁあぁ!!!」

フィールドから離れ、見えなくなった所でD−LINKを解除、グレイモンがお疲れ様でした、とタオルを渡してくれた、控え室に戻る途中、ムゲンドラモンとすれ違った、2回戦目が楽しみだ、何て言われた、控え室に戻ると直ぐにウォーグレイモンがやって来てヘラクルカブテリモンに勝った事を褒めてくれた、嬉しくなってついつい調子に乗って決勝で会おうぜ、何て言ってしまったが、ウォーグレイモンは嬉しそうにはいと返事をしてくれた、他の組のバトルは控え室からも設置されているテレビで見る事が出来た、そこにはムゲンドラモンとヴァンデモンが戦う様子が写されている、が、一方的な攻撃であっという間にムゲンドラモンが勝ってしまった、それからスカルグレイモンとメガドラモンが控え室から出て行き、ムゲンドラモンが帰って来た

「楽勝だ、貴様らには悪いが優勝は貰う、全国チェーンのために、マイホームのためにな」

「…マイホーム?」

「ムゲンドラモンは過去に、事故でムゲンマウンテンの頂上で大爆発を起こさせてしまい、住む家が無くなってしまったのです、今はタネモンの店で住み込みで働かせて貰ってるらしいですが」

「喋りすぎだ、ウォーグレイモン」

「はは…怒られちゃいましたね」

それからもリラックスしたムードで会話が続いた、バトルの決着が付くとウォーグレイモンは行って来ますと言い控え室を出て行った、後からデジタマモンがこそこそと出て行った、そう言えばいたんだ、結局勝ったのはメガドラモン、控え室に戻ってきた時はかなりの疲労が見られた、そんな事を気にせずオレはテレビを見る

「(アスカ、見ててください)」

バトル開始直後、ウォーグレイモンが素早くデジタマモンの前に進み、上からドラモンキラーで切り裂く、デジタマモンは驚いて殻にこもった、ドラモンキラーの威力は凄まじく、思いっきり地面に叩きつけられたデジタマモンが地面を割りながら衝撃で跳ね上がった、耐えたデジタマモンの殻も凄い、だがウォーグレイモンの攻撃はそれで終わらず、反撃の隙を与える事無くサッカーのボレーシュートのの様に蹴り飛ばす、また衝撃でデジタマモンが跳ねる、ウォーグレイモンの前に戻って来る程の威力、ウォーグレイモンは再び下に叩きつける、今度はさっきの割れ目をさらに広げ、地面にめり込むデジタマモン、止めのガイアフォースが片手で放たれたのはバトル開始から30秒も経ってなかった、ムゲンドラモンより速い、圧勝だ

「つ…強い…」

あっという間に終わったウォーグレイモンのバトル、メガドラモンをチラッと見たが戦う前から勝敗は決している様だった、確かにデジタマモンの様に強い防御力は無い、さらにウォーグレイモンは対ドラモン系最強武器、ドラモンキラーを持っている、あのスピードを見て、メガドラモンは瞬殺される事を悟った様だ、しかし今のオレはメガドラモンを心配している場合じゃなかった

「やっぱり…デカイよなぁ…」

目の前に聳え立つムゲンドラモン、黒光りするクロンデジゾイドのボディ、あんな体にオレの攻撃は通用するのだろうか、ちょっとびびっているとバトルが始まった

「どうした、A2を使わない気か?使うならさっさとだせ、待ってやる」

「畜生、ありがたいけど何だかむかつく…D−LINK:オメガブレード!!」

「ふ、その力、見させてもらうぞ!!」

ムゲンドラモンが地面を滑りながら突っ込んでくる、あんな大きな体受け切れる訳が無い、オレはギリギリでムゲンドラモンの上に飛び、突進を避ける

「それで避けたつもりか、甘いぞ!!」

上に飛んだのが不味かった、ムゲンドラモンの背中に装備されているムゲンキャノンが下向きから上向きに代わる、そのスピードは速く、オレを叩くには十分な速度と威力があった

「がぁああっ!!」

まるで蝿叩きだ、痛かった、衝撃で頭がくらくらしてくる

「畜生…」

オレはムゲンキャノンが当らない程度でムゲンドラモンの真上に飛ぶ、ムゲンドラモンはオレが真上にいる事が気に入らないのかフィールドをムゲンドラモンとは思えないスピードで動き回る

「どうした、付いて来れないのか!!」

簡単に振り切られた、ムゲンドラモンの癖に素早いなんて反則だ、何て思ってると今度はムゲンドラモンがジャンプしていた別にオレが高く飛んでいた訳じゃないがその時はムゲンドラモンがかなり高い所までジャンプしている様に思えた

「叩き落してやる!!」

トライデントアームがオレを上から覆う、マズイと思ったオレは直ぐに高度を下げ、丁度ムゲンドラモンの下をすり抜ける、背後を取った、ムゲンドラモンは元々飛行能力は無い、着地寸前でポジトロンレーザーを打ち込む、倒せないと思うがダメージは与えられる

「もらったぁ!!」

着地寸前、ポジトロンレーザーが放たれる、ムゲンドラモンは着地、直ぐに振り返りトライデントアームでガード、着地からガードまでのスピードは速かった、撃つタイミングを誤ったのか、さらにムゲンドラモンはガードをしても直撃を受けているにもかかわらず後ろに仰け反る事は無かった、しかもそのままポジトロンレーザーを弾くとメガハンドを突き出して突っ込んできた

「食らえ!!ブースタークロー!!」

「まずっ!!」

ムゲンドラモンの後ろが爆発を起こす、ムゲンキャノンの爆発を利用して加速をしているのだ、あまりの速さに回避が出来ない、直ぐにオメガブレードで防御する、オレは簡単に押されて壁に埋められた

「ッ―――――!」

声にならない痛みが前進を駆け巡る、ヘラクルカブテリモンも強かったが桁が違う、コレがCLOSEの究極体の力なのだろうか、それ以前にD−LINKの力が無かったら全身粉砕骨折とかそんなので即死なんだろうな、冗談でも笑えない、痛みで体が動かない、このままだと狙い撃ちなのは解っているのだが

「いくらトレーニングを積んでも、経験が足りない様だな」

ガシャンと音を立てムゲンキャノンがオレに向けられる、負ける、嫌だ、負けたくない、そんな気持ちがいっぱいになって来た時、体中が熱くなって来た、そしていつもの頭痛だ、痛みが完全に消えた時だ

「勝手に…」

オメガブレードを握り締めていた左手が勝手に動き出した、直ぐに解った、オメガブレードがオレの体を使っているんだと、その時会議室でムゲンドラモンが言った言葉を思い出した

『A2に乗っ取られた』

冗談だと思ってたが、たまに消える記憶が裏づけの様に思えて来る、そして同時に蘇ってくるまたもやムゲンドラモンの言葉が

『キサマに出来ないと言っているのだ』

「勝手な事を言うなぁぁあっ!!」

このまま終わりたくない、意識を左手に集中させる、オレの言う事を聞け、勝手に動くな、するとどんどん左手の震えが止まる、オメガブレードをオレが抑えた感じだった、しかしそれだけが問題じゃなかった、目の前には今にもムゲンキャノンを発射しようとするムゲンドラモンがいたのだ

「悪いな、タネモンが勝てと言うのでな」

放たれたムゲンキャノン、オレは壁を思いっきり蹴り、抜け出すと同時にムゲンキャノンの2つの光弾の間すり抜ける、そのまま勢いに乗ってオメガブレードを振り上げムゲンドラモンの頭から一気に振り下ろ!?

「そんな…」

ヘラクルカブテリモンとの戦い、ムゲンドラモンからのダメージ、そしてA2の制御、それから来る疲労よってD−LINKが解除されたのだ、オメガブレードは既にペンダントに戻っている、もうちょっとムゲンドラモンにダメージが

「ち…くしょ…」

結局オレはムゲンドラモンに飛びかっただけで、そのまま意識を失ってしまった




続け!!









後書き
WG「あぁ…」
アスカ「どうしたんだよウォーグレイモン?」
WG「いえ、アスカ…あぁあ」
アスカ「?」
WG「かわいいですね」
アスカ「!?…何が?」
WG「あぁ…」


SSのトコモンとパタモンが可愛すぎ…
まぁまだ全部のデジモンを見たわけじゃないんで一番なんて言えませんか…

コレがD輔の後書き!!