二度と蘇らない、命。
二度とできない、お世話。
二度と見れない、あの姿。

話は少し前にさかのぼる。
デジタルワールド、という世界を知ったのはそのときが初めてだった。
ただ好きなことに熱中していたら、いけた。
うれしかった。いままで好きでいたことを通し続けていて良かった。
俺には相棒がいた。ごつい顔で真緑で棍棒持ってるけど、根は優しい。口は悪いが。
だけど、あのバトルで全てが変わった。
真緑のたくましい力瘤のついた腕は、焼け爛れてただれてぶらぶら。
棍棒も三つの爪のあとをつけてぼろぼろ。
そして体は、とどめに食らった2発の有機体ミサイルで傷だらけだった。
死んだ。死んだ。
あんなに好きだったのに。あんなにいとおしかったのに。
死んだ、死んでしまった。
悲しみでなき続けていた。
なき続けていると、この世界に戻っていた。

育てていた命は、ひびが入り、液晶画面の背景も乱れて見える、あの姿を思い出させるような惨い姿だった。
絶望のふち、今はなき命を手に握り、ビルから飛び降りた。

だが生きていた。忌々しいことに。
生きる希望、それは相棒と一緒にいることだった。
それがないのに何故生きる必要があるのだろうか。
意識が戻ってもしばらくぼけーとして、飯も食わずにいた。
そんなある日。
聞こえるはずのない呼び出し音が聞こえた気がした。
手を開く。ずっと握っていたのか?それとも無意識で?
ひび割れたケース。
そして、液晶画面へと目を移す。

そこには、何が映っているっているのだろう。