「・・・相手はベリアルヴァンデモンか・・・いけるか?チャリオッツ。」 すでに5体ほどのデジモンと戦った。 チャリオッツも疲労がたまっているであろう。 だが、そんなことはものともしないというような口調で、 「任せろって!」 やる気満々のようだ。 この部屋に入ってから、ずっと空気が圧縮されているようないような感覚がする。 何かの前兆だろうか? だが、調べたところ、相手のパラメータはチャリオッツでおそらく勝てそうだった。 「じゃぁ・・・頼むぞ・・・」 それが宣戦布告となる。 意外なことに動きが早かったのは相手のほうだった。 腕をL字型にしてアッパーを繰り出す。 チャリオッツはそれをよけると、状態を横にそらしてよけると、 反撃に体重を乗せたスイングをベリアルヴァンデモンの側頭部に食い込ませた。 俺は正直、格闘能力でチャリオッツが大きく上回っていると思い、 勝てると思った。 だが相手はその瞬間、こちらを異様な目つきでにらんできた。 「パンデモニウムフレイム!」 その時あの目の意味を理解した。 相手の両肩が光る。エネルギー波がこちらまで伝わってくる。 「チャリオ・・・」 爆風。 名前を呼ぶ前に、俺に伝わってきた。 空気がゆがみ、視界がぼやけているような光景の中から必死に竜人の 姿を探す。 「ぐ・・・」 左腕を右腕で持ち上げ、立ち上がろうとする姿を俺は見つけた。 同時に、 「大丈夫か?」 と声をかけると、にっと笑って 「おうよ・・・」 そういうとすぐに敵の方向を向き、中に飛び上がる。 胸の竜の顔に右腕のレーザー砲をはめる。 エネルギーがほとばしり、あたりに光が立ち込める。 やつはそのそれを見て、防御の構えを取る。 「ギガ・・・デスッ!」 胸からエネルギーが放射される。 それはやつに直撃し、爆風を起こす。 「うわ!」 俺はその爆風にあおられる。 そして、体勢を立て直し、ベリアルヴァンデモンの姿を見る。 やつは確かに体力は減っている。 だがやつは念力が強いタイプに育てられている。 必殺技はさほどの効果が得られなかった。 「く・・・」 空中で疲労困憊の顔をするチャリオッツ。 ベルアルヴァンデモンは、その隙を見てジャンプし、タックルをしてくる。 「ふんぬぅ・・・」 チャリオッツはベリアルヴァンデモンを押さえ込み、翼を動かし、 そのまま地面に一直線に降下する。 ベリアルヴァンデモンは地面にぶつかり、ひるむ。 「今度は俺の番だ!」 チャリオッツは右手を後ろに構え、 「ぉぉぉ・・・・」 力を集中させる。 チャリオッツの体が朱色の光を発する。 「うぉおおおおおおお!!」 ベリアルヴァンデモンに向かって突進する。 ビシッ!ドグァッ!ドッグッシュァアアアッ! その神々しい輝きでよくは分からないが。 音を聞いた限り・・・まさか・・・トリプルクロスカウンター? 光が収まる。歩いてくる右腕にレーザー砲を装備し、 胸に竜の顔がある竜人デジモン。 「ふぅ・・・た〜だいま。」 気楽に手を振るチャリオッツ。 「お帰り。」 俺は彼の肩をたたき、 「お前いつあんな高等技術覚えたんだ?」 「は?なにが?」 「いや・・・だって、とどめってトリプルクロスじゃないの?」 俺はとぼけているのかと思い確認するが・・・ 「ああ、あれはさ、俺のパンチをあいつが素手で受け止めてさ。 まず右腕を折って、次に左腕で防がれたけど折って、 最後に顔面に入って倒したわけ。」 ・・・よく見れば相手は両腕が変な方向に曲がって倒れてる・・・ 恐ろしいやつだ。 「どうした?」 「いや。やっぱお前すごいな。」 俺はこんなこいつが大好きだ。 後書き サークルに投下したもの。 ふとかきたくなったんですよね。 ちなみにチャリオッツはインペリアルドラモンファーターモード。 やはりこういう系って楽しいです。(ぇ